【ステップアップ】真夏の夜を狙い撃つ!ナイトシーバス攻略ガイド【第2回】

日中の釣りが過酷になる真夏――。

そんな時期こそ、涼しいナイトゲームで爆釣を目指したいところです。

このページでは、ポイント選びからルアー戦略、釣行タイミングまで、夏のナイトシーバス攻略法をご紹介していきます。

執筆者
ショーカラ(y-nax)
『釣り』の翻訳家
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。

夜こそ勝負!真夏のシーバスは「涼しい時間」に動く

真夏のデイゲームは、水温の上昇により、ベイトとなる小魚の活動量が著しく低下します。

水温が28℃を超えると、ベイトも散り、シーバスも水温の安定した場所へと移動しがちです。

しかし、夜になると水温はわずかに下がり、ベイトも接岸しやすくなります。

また、夜は、ベイトが休息場所を求めて接岸するタイミングとも重なります。

特に都市型河川や港湾部では、常夜灯や流れに集まるベイトを狙ってシーバスが回遊してくるため、ナイトゲームはまさに“ボーナスタイム”になることがあります。

ナイトゲームで狙うべき場所と条件

夏に限らず、ナイトゲームでは構造物+流れ+明暗が組み合わさるポイントを狙うのが鉄則です。

特に、夏の水中は溶存酸素量が低下するため、潮の流れ(水の動き)を意識することは他のシーズン以上に重要になります。

また、アングラーにとって、ナイトゲームは日中より視覚情報が少ないため、地形と潮の流れを味方につけると大きなアドバンテージになります。

狙い目のポイント
・常夜灯や照明の明暗の境目
・橋脚や護岸沿いのヨレ
・小規模な流れ込み・排水口周辺
・干潟やシャロー帯でベイトの集まっている場所

明暗の境目を意識しつつ、流れに乗せた自然なリトリーブができれば、ヒット率がグッと高まります。

また、ベイトが集まっている場所は、ナイトゲームにおいては潮の流れとは関係なく鉄板ポイントになります。

ナイトゲームに効くルアーとアプローチ

夜のシーバスはシルエット・動き・ボディの光でルアーを認識しています。

プレッシャーが高くても、しっかりと『存在感』を出せるルアーが強い傾向にあります。

おすすめルアー
シンキングペンシル:明暗境をなぞる
          動きが大きめのシンキングペンシルが◎
フローティングミノー:表層をゆっくり引いて食わせる
           アクション(バタつき)の大きめのミノーが◎
(鉄板)バイブレーション:ベイトが見つからないときの切り札

攻略のポイントは、『レンジ』と『スピード』の組み合わせです。

レンジを調整しながら、リトリーブに緩急をつけて魚の反応を探るのが基本です。

なぜ夏の夜に『レンジ』と『スピード』が重要なのか?

レンジとスピードの組み合わせというのは、年間を通して求められるシーバスゲームの基本戦術です。

しかし、夏のナイトゲームでは、特にこの2つの組み合わせがシビアに求められます。

ベイトがシビアにレンジを選ぶ

夏は、表層水温が高く、表層の溶存酸素濃度が低下します。

他方で、下層はというと、水の動きが少なくなって水が停滞します。

 
ショーカラ
夏は、温かい表層水温と、比較的冷たい下層水温とで温度差が生じ、上下の水が混ざりにくくなります
 
ショーカラ
結果として
「表層にはわずかな流れがあるけれど、下層は停滞している」
という“水の層分かれ”が起きやすくなります

これにより、ベイトもシーバスも流れのある快適なレンジを選んで回遊するようになります。

小型のベイトが増える

夏になると水生生物が増えて、シーバスは様々なベイトを捕食するようになります。

とりわけ、アミエビやイナッコのようなマイクロベイトを捕食している場合。

ベイトが泳ぐ層にルアーのレンジをマッチングさせなければなりません。

そうすると、ルアーのレンジの調整に繊細なコントロールが求めれるようになります。

シーバスの視覚が効きにくくなる

これはナイトゲーム全般に通じることです。

シーバスがいくら視覚主導型で、夜でも見えるとはいえ、光量が少なくなれば、それだけベイトを捕捉するのに遅れが生じます。

光量が極端に少なければ、それにともなってシーバスがルアーを発見するのが遅れます。

そのため、水の濁度やベイトの種類、その日のシーバスの活性によって、ルアーのスピードの調整も求められるようになります。

ショートバイトが多発する夏特有の食い方

「夏は、ルアーを追うけど食い切らない」という現象が頻繁に発生します。

もちろん、「そもそもシーバスが小型でルアーを食い切れない」とか「シーバスの活性が低い」いう場合もあり得ます。

しかし、それ以外にも複合的な要因が考えられます。

たとえば、ベイトの『サイズ感』や『密度』に対する違和感です。

密集して泳ぐアミエビやハクの群れに対して、ルアー1個の単体アクションではシーバスが違和感を覚える、ということもあるでしょう。

他にも、匂いに対する違和感も考えられます。

たとえば、アミエビのようなアミノ酸を放出するベイトを捕食している場合、「ルアーに匂いがないこと」に対して違和感を覚えるかもしれません。

特に、夏は水温が高くて匂いの拡散が早いため、匂いがないことを本能的に「不自然」と感じている可能性もあります。

ショートバイトの理由は1つではないでしょう。

ただ、いずれにしても、シーバスに見切られない(違和感を抱かせない)絶妙なスピードが求められることがあります。

これらの理由から、夏のナイトゲームにおいては、ルアーの『レンジ』と『スピード』のコントロールが特に重要な意味を持つことになります。

釣行タイミングと潮回りの考え方

一般的に、釣りにおいては「潮の動き=魚の動き」と捉えるのがセオリーです。

それと同時に、ナイトゲームでは、潮とは無関係にベイトの量(溜まり具合)が釣果に大きな影響を与えることもあります。

潮止まりを避けて、流れのあるタイミングを狙うことベイトの溜まったエリアを探すことが釣果を伸ばす鍵になります。

おすすめの時間帯としては

・潮止まりの前後
・満潮からの下げ始め(シャローエリア)

です。

潮止まりの前後は、満潮か干潮かを問わず、潮がよく動く時間帯として鉄板です。

シャローエリアであれば、満潮に向けてベイトが溜まってくることがあります。

そのため、満潮からの下げ始めをピンポイントで狙ってみるのもおもしろいでしょう。

灼熱の日中を避けて真夏の夜のシーバスを狙い撃つ!

真夏の昼間は、気温も水温も上がりっぱなし。

厳しい条件が続く中、夜になると気温も水温も少しだけ落ち着き、昼に身を潜めていた小魚の動きも活発になります。

そして、それに合わせて、捕食者であるシーバスの動きも活発になります。

街灯に照らされた水面には小魚の波紋が現れ、これを追うシーバスもベイトの周辺を回遊するようになります。

近年ではデイゲームのシーバスフィッシングも盛んですが、夏こそ、オカッパリのシーバスはナイトゲームの独壇場です。

ぜひ安全対策を万全にして、静寂を割って飛び出るシーバスを狙ってみてください。

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