【ゼロから始める】ナイトゲームは準備が9割!夏の夜釣りの安全&虫対策ガイド【第1回】

真夏の夜、気温が下がって快適に思えるナイトゲーム。

でも、暗闇・湿気・自然環境が揃う夜釣りには、特有のリスクが潜んでいます。

「夜は釣れる!だけど、危ない!!」

だからこそ、事前の準備が釣果にも安全にも直結します。

このページでは、ナイトシーバスフィッシングを楽しむための安全&虫対策をご紹介します。

万全の備えで、安心・快適な夜の釣り時間を楽しみましょう。

関連記事

日中の釣りが過酷になる真夏――。そんな時期こそ、涼しいナイトゲームで爆釣を目指したいところです。このページでは、ポイント選びからルアー戦略、釣行タイミングまで、夏のナイトシーバス攻略法をご紹介していきます。[…]

執筆者
ショーカラ(y-nax)
『釣り』の翻訳家
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。

夜釣りで想定される危険とリスク

夜釣りでは、日中には起こりにくい事故やトラブルが多発します。

想定される主なリスク
◆視界不良による転倒や滑落
◆潮位変化による取り残し・浸水リスク
◆蚊・ブヨ・ムカデなどによる虫刺され
◆熱中症・脱水症状(夜でも湿度・気温が高い)
◆野生動物との遭遇(イノシシ・シカ・アライグマなど)

釣りに集中しすぎて周囲への注意が散漫になるのと、自然のリスクと隣り合わせになるのが夜釣りの怖さのひとつです。

安全装備チェックリスト(必須&推奨)

夜釣りでは『明るさ』と『足元の安全』が命綱。

以下の装備は安全に釣りを続けるための基本セットです。

装備目的備考
ヘッドライト視界確保赤色灯機能があると便利
フローティングベスト落水対策ホイッスルがあるとベター
フェルト(スパイク)シューズ転倒防止海藻が多い場所はスパイクが◎
タイドグラフアプリ潮位確認干満差があるエリアは必須
防水スマホケース緊急連絡手段確保簡易なものでもあると便利
サブのライト補助確認補助とはいえ明るいものがベスト

おすすめのヘッドライト(夜釣り用)

夜の釣りでのマストアイテムの一つがヘッドライトです。

明るさ』だけではなく、釣り向けの『使いやすさ』もチェックポイントです。

選び方のポイント

・300ルーメン以上の明るさ
・USB充電or交換可能なバッテリー搭載
・赤色灯モード(虫対策にもなる)

ヘッドライトマニアの僕の経験上、夜釣りが快適にできるのは300ルーメン以上の明るさの表示があるヘッドライトです。

また、小さいLED電球が多数搭載されているものより、大型のLED電球が1個搭載されているものの方が広範囲を照らすことができます。

バッテリーに関しては、電池交換式かUSB充電式のものが一般的。

一番便利だったのは専用バッテリーでも電池でも稼働するタイプのものです。

充電のみのタイプだと、充電をし忘れたときに釣りができないので、電池でもバッテリーでも稼働するタイプのものは重宝します。

赤色灯モードがあると、不必要に水面を照らすことがないため、魚に警戒されにくくなります。

また、虫も寄ってきにくいので、蛾などが寄ってくる心配が少なくて、釣りに集中することができます。

おすすめのヘッドライト(3選)

ZEXUS(ゼクサス)

釣り専用ライトの定番メーカーです。

ZX-R730ZX-R740はUSB充電・赤色灯モード付きで人気ですが、けっこうお高め。

GENTOS(ジェントス)

コスパと安心感重視ならジェントス一択でしょう。

WS-643HDなど、必要十分な明るさと使いやすさで安心して夜釣りができます。

SeaBonds(シーボンズ)

「(使いやすさを)釣りに全振りしたライト」として話題なのがシーボンズSPEC2

明るい使い方シンプル邪魔な電池ボックスがない赤色灯も明るい

といった感じで、釣りに求められる要素を抽出したようのなヘッドライトです。

 
ショーカラ
ちなみに僕は、ジェントスとシーボンズの二刀流

蚊・ブヨ・マダニ…真夏の害虫対策!

夏のナイトシーバスフィッシング。

暑さとともに釣り人の前に立ちはだかるのが『虫問題』です。

虫対策を怠ると、数時間の釣行が地獄に変わることも…

街灯がある場所や風の弱い日は、特に虫対策が重要になります。

虫よけスプレーのキホン

虫よけスプレーには2タイプのものがあります。

一つは虫の感覚器官を麻痺させる成分が配合されたタイプ。

これは広く市販されているタイプの虫よけスプレーです。

温度・匂い・二酸化炭素を頼りに虫が寄ってきても、虫の感覚器官を麻痺させて、人間の存在をわからなくさせるものです。

 
ショーカラ
蚊が寄ってきた瞬間、透明人間になるマントを纏う感じですね

そして、もう一つは虫の嫌がる香り成分で虫を寄せつけないタイプ。

ハッカ油やハーブのような天然由来成分のものがほとんどです。虫の感覚器官を麻痺させるほどの強い効果はありません。

 
ショーカラ
いずれのタイプも殺虫スプレーではないので、虫をやっつける効果は一切ありません

おすすめの害虫対策グッズ

スキンベープミスト(フマキラー)

スキンベープミストは虫よけスプレーの大定番。

ミストタイプで肌にやさしく、ベタつきにくい使用感。汗ばむ夜釣りでも手軽に塗り直しできるのが強み。

ディート(感覚器官を麻痺させる成分)配合で適用害虫が多く、ほとんどの場所での夜釣りには困りません。

ほとんどのドラッグストアやコンビニで購入できるのもの◎

虫よけジェルピーチ(立石春洋堂)

虫よけジェルは、一般的な虫よけスプレーではなくジェルタイプなのでムラなく塗ることができます。

吸い込むことがないので、虫よけスプレーのキツイ匂いが苦手な方や呼吸器系の弱い方でも安心して使うことができます。

ハッカ油スプレー(補助用)

ハッカ油スプレーは、香りによる虫の忌避効果に加え、感覚麻痺系の虫よけスプレー独特の強い薬剤の匂いを緩和してくれる補助アイテム。

ディート系スプレーと併用すれば、香りという点で虫対策も快適になります。

特に汗をかく真夏の釣行では、複数のアイテムを“重ねて使う”のがベストです!

ただ、天然由来系の虫よけスプレーの効果は高くないので、他の虫よけアイテムと併用することを強くおすすめします。

ディート? イカリジン?

虫の感覚を麻痺させる成分として、ディートイカリジンという2種類の成分があります。

ディートの方がより広範囲の虫に効果がありますが、効果が強いため使用制限があります。

特に、6か月未満の乳児には使用することさえできません。

また、ディートはプラスチックや繊維を溶かすことがあるので、虫よけスプレーを塗りたくった手でスマートフォンを触ると、スマホケースが溶けてベタつくことがあります。

一方、イカリジンは、適用害虫の範囲がディートよりもやや狭いです。

ただ、蚊・ブヨ・マダニなど基本的な害虫忌避効果は高いので、効果面でそれほど問題になることはありません。

イカリジンはディートよりも安全性が高いので、お子様にも安心して使えます。また、プラスチックや繊維を溶かすこともありません。

害虫対策をしっかり行いたい場合にはディート配合、日常使用も見据えて安心して使いたいときはイカリジン配合といった感じで、使用目的や状況に応じて選びましょう。

虫よけスプレー使用上のワンポイントアドバイス

ディート配合にしろ、イカリジン配合にしろ、虫よけスプレーを使用するときはムラがないようにしっかり塗布するようにしましょう。

スプレーをケチってはいけません。

また、ミストタイプであっても吹きかけるだけではなく、手のひらに出して露出部分にしっかりと塗るようにしましょう。

虫よけスプレーをムラなくしっかり塗れば、蚊に刺されることはほぼありません。

その他の“意外な落とし穴”にも注意!

安全対策と虫対策以外にも、夜釣りをするときに気をつけておかなければならないポイントがあります。

野生動物を警戒する

夜になるとタヌキ・キツネ・イノシシなどの野生動物が活動を始めます。

地域によってはツキノワグマなどの猛獣と出くわす場合もあるでしょう。

 
ショーカラ
僕は夜釣りのときにタヌキキツネシカに遭遇したことがあります。
特に、シカに遭遇したときはビビりました。

時々自分の背後をライトで照らすなど、人間の存在を知らせるようにしましょう。

ぬかるみや水位の変化に注意

夜釣りの場合、地面が黒っぽいだけなのか、濡れてぬかるんでいるのか、暗くて判別できない場合があります。

ライトで照らしても判別できないことがあります。

大股で歩かずに、濡れていそうな場所は細心の注意を払って歩きましょう。

また、干満差の大きな地域では水位の変化にも要注意です。

夜は周りの景色が見えないので、水位(潮位)の変化に気づきにくいです。

そのため、釣りの最中に沖に取り残されるというリスクもあります。

干満差の大きな地域では満潮時刻のチェックは必須です。

ライン操作とフックの場所に注意

夜は手元のラインしか見えないため、

(知らない間にラインがガイドに巻きついていて、キャストした瞬間に竿先がポキッと折れた…)

なんてことも起こります。

また、ライントラブルを直している間に、今度はルアーのフックが服に刺さって取れなくなった、なんてことも起こります。

ラインやフックの管理には常に気を配りましょう。

行き先を伝える

これは単独釣行の場合は必須です。

ナイトゲームの単独釣行の場合、家族がいる人は必ず家族に行き先を伝えておきましょう。

一人暮らしなどで伝えるような相手がいないときは、SNSなどに痕跡を残しておくといいでしょう。

スマートフォンは、万が一が起こったときに心強い味方になります。

それゆえ、バッテリーの消耗を避けるとともに、落水にも必ず備えておきましょう。

備えあれば憂いなし! 安全は最大の武器になる!

ナイトシーバスフィッシングは、釣果が安定してドラマも生まれやすいシチュエーションです。

その反面、転倒、落水、虫刺され、野生動物との遭遇など…自然のリスクとも隣り合わせです。

しかし、夜釣りとはいえ、しっかり備えることで安心と集中力を確保できます。

そして、この安心と集中力は釣果に直結するという好循環が生まれます。

「ひとつしかないライトの電池切れ」「刺された一ヶ所の痒み」で集中が途切れた経験はありませんか?

準備万端でナイトシーバスフィッシングに臨めば、必然的に釣果もついてきます。

活動しづらい夜の釣りを“快適で安全なもの”に変えて楽しみましょう。

関連記事