ラッキー13でシーバスフィッシングを遊び尽くせ!!

アメリカンルアー・ヘドンの【ラッキー13(Lucky 13)】をご存知でしょうか?

今からちょうど100年前の1920年に誕生したヘドンを代表するルアーです。

なぜいまの時代に100年前に誕生したルアーの紹介をするのか?

それはラッキー13(thirteenと読む)が『遊べるルアー』だからです。

昨今のルアーフィッシング事情を比べつつ、ラッキー13の魅力についてご紹介します。

現代のシーバスルアー

飛距離偏重

現在のシーバスシーンにおいてどんなルアーが売れているかといえば

飛ぶルアー

です。

釣れるかどうかよりも飛ぶルアーです。

まぁこれは理解できます。

飛距離の出るルアーと飛距離の出ないルアーを投げ比べると、飛距離の出ないルアーは圧倒的なストレスを感じます。

僕自身も

ショーカラ
飛距離なんていらねぇぜ!

と思っているわけではありませんよ。
むしろ逆です。
ルアーを重くしてでもなるべく遠くにルアーを届けたい派です。

基本はタダ巻きアクション

ルアーの飛距離を伸ばすためにはなるべく空気抵抗になるようなものを排除する必要があります。

そのため最近のルアーはリップがとても小さく作られています。

釣り人
リップが小さいと上手く泳がないのでは?

と思われがちですが、最近ではリップが小さくて泳ぎが弱いルアーがよく釣れると考えられています。

リップが小さいと水の掴みが弱くなり、泳ぎも弱くなります。

水の掴みが弱いルアーは水を上手く掴み切れないときにルアーがイレギュラーアクションを起こします。

この勝手に起こるイレギュラーアクションが、タダ巻きでもオートマチックに食わせの間を与えることができると考えられています。

昨今のルアーは、アングラーが意図的にトゥイッチやジャークを行わなくてもルアーがオートマチックに食わせの間を作ることができるものが主流です。

ラッキー13の特徴

ラッキー13はマニュアル車

現代のシーバスルアーは、例えるなら、ドライバーがアクセルを踏むだけで車のスピードに合わせてギアをチェンジしてくれるオートマチック車です。

これに対して、lucky13を例えるなら、ドライバーが車のスピードに合わせて常にギアを操作してやる必要のあるマニュアル車です。

ラッキーサーティーンは、魚に食いつかせるためにその場その場の状況に合わせてアングラーがルアーを意図的に操作してやる必要のあるマニュアルルアーです。

形状や色、見た目やイレギュラーアクションによって魚が勝手に騙されてしまう現代ルアーとは異なり、ラッキー13はアングラー側で多彩なシチュエーションに合わせてルアーの操作を変えて、魚を騙して釣るためのルアーです。

ラッキー13はその独特の形状から1台で4役(もしくはそれ以上)をこなすことができます。

ドッグウォーク

ラッキー13はルアーの動きに合わせて連続で軽いトゥイッチを入れてやるとペンシルベイトのようなドッグウォークをします。

魚の居場所がわからない時にサーチベイトとしてよく使うアクションです。

ポップ音

連続トゥイッチではなく間隔を空けて一定のリズムでトゥイッチをすると

「ポコン…ポコン…ポコン」というポップ音が発生します。

ラッキー13はポッパー的な使い方もできます。

魚が着いていそうなストラクチャー付近をネチネチと誘うのに使えます。

捕食音(チャガー音)

軽いトゥイッチではなく、水を掴むのを意識して大きくゆっくりかつ勢いよくジャークをすると

ドプン!」とか「ボフン!」という低く響く捕食音系のポップ音が発生します。

いわゆるチャガー音と呼ばれる音です。

捕食音系のポップ音は大物が好むといわれています。

最近は捕食音系のポッパーはほとんどなくなってしまいましたが、そういう昨今の状況だからこそ捕食音を演出できるラッキー13が活きてきます。

また捕食音系のポップ音は低く響く音が鳴るため、ポップ音に比べてより広範囲(特により深い場所)から魚を引っ張ってくることができるといわれます。

今はシーバスルアーの中で捕食音を謳っているのはフィードポッパー(タックルハウス)くらいでしょう。

ダーター

ラッキー13のカップはリップ形状に非常に近いため、タダ巻きでもアクションをします。

ただし、現在主流のローリング主体の弱々しい動きやウォブリングアクションではありません。

左右に大きくズレるダート系のアクションをするのが特徴的です。

アピール力が大きいためサーチベイトとして使うことができます。

こんな人にオススメ!

ルアーフィッシングを楽しみたい!

釣り人
釣りは釣れてなんぼ!
とにかく楽(ラク)してたくさん釣りたい!

という人にはハッキリいってオススメしません

そういう人にとってはタダ巻きでオートマチックに食わせの間を演出できる最新ルアーの方がオススメです。

そうではなく、スポーツフィッシングとしてのルアーフィッシングの原型である

動かして騙して誘って食わせる

というルアーフィッシング本来の釣り方を楽しみたい人にこそオススメです。

これを使うことで100年前の釣り人がどんな感じでルアーフィッシングを楽しんでいたかということを肌で感じることができるでしょう。

『釣りの味』を楽しみたい!

味というのは魚の味のことではありません。

ラッキー13やザラスプークのようなクラシカルなルアーで現代の魚を釣るという味のある釣りを楽しみたい人にもオススメです。

きっと悠久の時を感じることでしょう。

バスフィッシングにおいては、スチール製ロッドにダイレクトリールを使用してトップウォータープラグオンリーで釣りを楽しむ文化がありますが、シーバスではそういう味のある釣りという文化はありません。

コルクグリップの古いシーバスロッドを引っ張り出してきてラッキー13のようなクラシカルルアーでシーバスを狙ってみるのも面白いでしょう。

まとめ

現代ルアーはオートマチック車
ラッキー13はマニュアル車
1台で4役の多彩なアクションを演出できる
ルアーフィッシングの原点を楽しみたい人にオススメ

現代のルアーは水流の変化により自動的に食わせの間を演出できる、つまり、ただ巻いているだけで魚の方から食ってきてくれるオートマチックなルアーがほとんどです。

しかし、ラッキー13はそんな昨今のルアーの対極にあるような、アングラー自らが動かし、誘い、騙し、食わせる必要のあるマニュアルなルアーです。

魚を釣るという目的を達成するだけのためならラッキー13なんて必要ないでしょう。

現代ルアーの方が余計なアクションは不要で遥かに楽に魚が釣れます。

しかし、ラッキー13には「本来のルアーフィッシング」「ルアーフィッシングの原点」の影を感じることができ、ルアーフィッシングという釣りを遊び尽くせるルアーになっています。

普段は「釣れてこそナンボ!」という釣りで構いませんが、ちょっとした息抜きにラッキー13でシーバスフィッシングを楽しんでみてはいかがでしょうか?