ボラコン(ブルーブルー)というルアーが発売された頃にSNS上に踊ったのが『ボラコンを キャスト したら1投目で ライン が 高切れ した~(;´・ω・)』という悲痛な叫び。
ルアーが高切れしてしまうとマジでシャレにならんくらい凹むんですよね((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
根掛かりと違ってなす術がないし、ラインが切れないときと比べると想像を絶するくらい遥か彼方へ飛んでいくし…
どうやったらルアーの高切れを防げるのか?
実はこの問題に対する答えは驚くほど単純なのですが、高切れ経験者の中でもかなり多くのアングラーが高切れを防ぐための方法を意識していないというのが現実です。
このページではルアーが高切れして涙目にならないための方法をご紹介します。
キャスト による 高切れ とは?
そもそもルアーの 高切れ ってなんなのか?
このフレーズを聞いたことがない(高切れ未経験)のアングラーのために説明すると、こういう感じ。
これをルアーフィッシング業界では 高切れ と呼んでいます。
高切れを起こしてしまうと、道糸(メインライン)という『抵抗』を失ったルアーは気の向くままに大飛球となって場外へ飛んでいき、最後は☆になります。
ルアーを失った悲しさもありますが、それよりもルアーの飛距離に驚かされます。
乾いた音とともにラインが切れ、その直後にルアーが飛んでいく様子を見ていると、その瞬間、時間が止まっているようにさえ感じます。ルアーは遥か彼方まで飛んでいきます。
キャストによる高切れはアングラーに大きな精神的ダメージ(+経済的ダメージ)を与えます。
キャストのときに高切れする理由
キャストのときの高切れを防止するためには、高切れをする原因を知る必要があります。
キャスト時に高切れが発生する原因は主に2つです。
②もともとラインの引張強度が不足していた
このうち、多くのアングラーが主要原因として考えるのが①の「ラインが痛んでいた」という場合。
確かに長い間ライン交換をしていなければキャストのときに高切れをしてしまうというのはあり得る話。
この場合は直ちにライン交換をして下さい。
ラインの耐久力が落ちて高切れした場合にはライン交換をするか、ラインが痛んでいそうな箇所をザックリと切ることで高切れを防ぐことができます。
問題なのは②の「もともとラインの引張強度が不足していた」という場合。
意外にもこの部分に気を配らないアングラーが多い。というよりも気を配らないアングラーが多すぎる。
キャストのときにラインの強度を超えるルアーをキャストすれば新品のラインでも普通に切れます。当たり前の話です。
新品のラインの高切れをラインの初期不良のせいにする人がいますが
そもそもラインの強度足りてた?
って思うことはたくさんあります。
そのラインは何gまで投げられます?
そもそも自分が今使っているラインでルアーをキャストする場合、何gぐらいまでのルアーが適合範囲か把握できていますか?
これが把握できていないとルアーなんて簡単に切れることがありますよ、マジで。
もちろん、ラインの強度の適合範囲を超える重さのルアーをキャストしても高切れしない場合もありますし、逆にラインの強度の適合範囲内の重さのルアーをキャストしても高切れすることはあります。
適合範囲内であれば常に大丈夫とか、適合範囲を超えるとマジでヤバイってことはありませんが、自分の使っているラインで投げられるルアーの重さはだいたい把握しておくことは高切れを防止するためには重要です。
オモリ1号=ライン1号
僕が子どもの頃に釣り雑誌を読んでいてよく書かれていたのが
という考え方。
1号の重さの重りを投げるのに1号の太さのナイロンラインが必要という考え方です。
この基準が絶対ということではありません。
でも、釣具屋の店員さんに質問してみても以前は概ねこういう表現で教えてくれました。
でも、ぶっちゃけルアーフィッシングのアングラーにとってこれだとわかりにくいので、ルアーフィッシング用に数字を変換する必要があります。
ルアーフィッシング用の数字に換算すると…
です。
オモリ1号の重さは1匁(いちもんめ)=3.75gです。ナイロンライン1号の引張強度はだいたい4ポンドです。
3.75gの重さのルアーをキャストしたときに高切れしないラインの引張強度は4ポンド必要ということです。
…といっても
というアングラーもいることでしょう。僕もそう思います。
なので、もっと極端にいえば
とザックリ考えても実際は大丈夫。
要するにウエイト1gに対してライン1ポンドくらいね。
たとえば10gのルアーを高切れしないようにキャストするには、ラインの引張強度は10ポンド程度必要ということです。
これがルアーをキャストしたときの高切れ防止のための基本中の基本の考え方です。
これは絶対に知っておく必要があります。
ラインの太さ・ルアーの空気抵抗による補正
このようにオモリ1号=ライン1号という考え方を基準にすると
じゃあ50gのルアー(≒オモリ13号)を投げるのにはラインの強度が50lb(ナイロン≒14号)も必要なのか?
という疑問があります。
確かに少し大きめのルアーになると50gくらいの重さって普通にあり得るので、いつも50lbのラインを準備しておかないといけないの?ってことになります。
もっとザックリいえば
ってことです。
ラインの太さによる補正
実はラインは細ければ細いほど切れやすく、逆に7号(25lb)くらいを超えてくると少々のことではなかなか切れなくなります。
1オンス(28g)くらいのルアーをフルキャストするのにはだいたい25lbくらいあった方が安心ですが、それを超える重さのルアーをキャストする場合には1g=1ポンドにこだわる必要はありません。
僕の場合、35gのルアーでも25ポンドくらいのラインで投げます。50gのルアーも25ポンドくらいのラインで投げます。100gくらいのルアーになると安心のために30ポンドくらいラインで投げます。
25ポンド以上の太さがあればキャストでルアーが高切れをすることはそうそうあることではありません。
ラインの太さに注意を払うのは~25lbくらいまででOKといえます。
10ポンドのラインで24gのルアーをキャストすると必ず高切れするという意味ではありませんが、10ポンドのラインで24gのルアーをキャストした場合、いつ高切れしても全然おかしくないよって話です。
ルアーの空気抵抗による補正
投げるルアーの空気抵抗よっても必要なラインの強さは変わってきます。
空気抵抗の少ないルアーをキャストするときはロッドのスイングスピードが速いので瞬間的に大きな負荷がラインに掛かります。
基本的に25ポンドが引張強度の最低限度と考えてもらった方が確実です。
空気抵抗の少ないルアーといえばメタルジグ(30g~)のようなルアーのことです。
50g~のメタルジグを何度もフルキャストするのであればラインの強さは30lbはあった方が確実です。
逆に空気抵抗の大きいルアーをキャストする場合には、ルアーの大きさが抵抗になるので自分で思ってるほどスイングスピードは速くありません。なので、ラインに掛かる負荷はそれほど大きくはなりません。
自分ではフルキャストしているつもりでも、横から見ていると「よっこいしょ」って感じで投げている場合がほとんどです。
空気抵抗の大きいルアーの場合には同じ50gであってもメタルジグほどの負荷はラインには掛かりません。50gほどのボラコンであれば25lb程度の強さがあれば全然投げられます(まぁそれでも30lbあった方が安心だけど)。
同じ重さのルアーをキャストする場合でも、空気抵抗の少ないルアーをキャストするときはやや強めのラインが必要、空気抵抗の大きいルアーをキャストするときはやや弱めのラインでもなんとか大丈夫ということです。
ノットによる強度の低下
ラインの強さを考えるうえで忘れてはいけないのがラインのノットによる強度の低下。
ラインはスナップと結束したりリーダーと結束すると結び目の部分が本来のライン強度よりも必ず低下します。
様々なウェブサイトでラインの結束強度に関する実験が行われていますが、おおむね本来の引張強度の75%くらいになると考えておいて下さい。
たとえば10lbのラインを結束せずに引っ張ると10lb以下で切れます。9.5lbとか。
でも10lbのラインをスナップに結束して引っ張ると7lbくらいの負荷で結束部分から切れます。
これがラインのノットによる強度の低下です。
キャストのときの高切れを防止するためにはオモリ1号=ライン1号と覚えても問題ありませんが、ノットによる強度低下を考慮するなら、さらにワンランク強いラインを使うということも視野に入れた方が良いでしょう。
ラインの太さに注意しよう!!
◆必要なラインの強度は1号のオモリ=1号のナイロンライン
◆ラインは25ポンド以上あると切れにくい
◆ルアーの空気抵抗が小さい→ラインへの負荷が大きい
◆ルアーの空気抵抗が大きい→ラインへの負荷は小さい
キャストによる高切れを経験したアングラーが真っ先に疑うのがラインの痛みです。
など。
確かにラインが古くなっていたりラインが傷付いていればキャストの瞬間の負荷で高切れを起こすことはあり得ます。
でも、ルアーアングラーのかなり多くの人が見落としがちなのが
ルアーのウエイトに対するラインの強度不足
昔は当たり前のように言われていたことでも、最近はほとんどメディアでも聞くことがなくなりました。
これが目安です。
キャストによるラインの高切れを防ぐには、ラインの傷やライン交換に加えて、ラインの太さを細くしすぎないように心掛けましょう。
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