釣り業界でまことしやかに囁かれている『釣りあるある』の中にこういうのがあります。
ラインが太いと魚が釣れない
確かに話を聞けば「なるほど」と思えるような部分がないわけではないのですが、如何せんそれを体感できない。
それどころか、ラインを太くしても相変わらず釣れているというジャンルもあります。
このページではラインの太さと釣果について超主観的に綴ります。
都市伝説の出どころは?
そもそも「ラインは太いと釣れない」とか「ラインが細い方が釣れる」といわれるようになったのはなぜか?
これはたぶん、遡ってもキリがないんじゃないかと思います。
僕もよくわかりません
一つだけ確かなのは僕が子どもの頃にはこういう風に言われていたということ。
ラインが細い方が釣れるという都市伝説は何十年も前から存在しています。
3年間釣りを続けていればおそらく一度はどこかで耳にする機会があります。
絶対に一度は言われます、マジで。
なぜ細い方が釣れるのか?
ところで、どうしてこんな都市伝説が語られるようになったのか?
理由を聞くと『確かにね』と思える点もあるんです、実は。
という理由。
この理由を聞いて頭ごなしに
と否定する釣り人はほとんどいないんじゃないでしょうか。
それくらい一応の説得力のある理由だと思っています。
「ラインが太いと釣れない」とか「ラインは細い方が釣れる」という都市伝説の理由はほぼ100%この理由です。
確かに言われてみれば魚だって釣られたくないだろうから、怪しいものには手を出さない(口を使わない)かも…
でも糸の太さはあまり関係ないと思う
説得力がある理由にもかかわらず、僕個人的には
糸の太さはそれほど関係ないんじゃない?
という立場です。
なぜか?
どれだけ細くしても魚には見えている
糸をどれだけ細くしても絶対に見えてます、魚には。
サイトでバスフィッシングをしているとよくわかりますが、3lbくらいまでラインを細くしてもブルーギルはしっかりと水中のラインをつついてきます。
水面を漂うラインにはもちろん気付いています。
水中にあるラインにもアタックしてきます。
しっかりと見えています。
実は釣果が変わらなかった
時代の変化によって流行も変わってきます。
たとえばエリアフィッシングのライン。
15年ほど前は2lbくらいが主流でしたが、最近では4lb~っていうのが普通にあります。
昔は2~3lbが標準で、4lbを使っていると「ビビってるな」って感じでした。
でも最近では4~5lbというラインも当たり前に使うようになりましたが、ラインを太糸にしてもトラウトはしっかり釣れマス。
ラインを太くしたら釣果が落ちたという印象を持っている方はそれほど多くないでしょう。
細糸信仰は日本固有
ラインを細くした方が魚に警戒されない…というのは、たぶん日本独特の考え方です。
以前、韓国人の釣り好きと一緒にチヌのフカセ釣りをしたことがありました。
僕は典型的な日本人釣り師だったのでハリスはフロロ1.5号を使っていたのですが、その友人のハリスはなんとフロロ3号でした。
チヌ釣りでそんな太ハリスを使ったことがないので僕は驚いたのですが、逆にその友人は
という感じのリアクション。
結果はどうか…といえば、まぁ変わらないよね。
『お前が下手クソなんだよ(# ゚Д゚)!!!』
といわれれば、ぐうの音も出ないけど(笑)
外国で釣りするときも同じ。
日本人みたいな細糸で釣りをしてる人って見かけない。
外国にいくと「郷に入っては郷に従え」で現地の人のタックルセッティングを気にして見るのですが、とにかく糸が太い。
『掛かった魚は絶対に逃がさないよ』といわんばかりの太糸です。
ラインが細い方が魚に警戒されないというのは【真理】というよりも日本人独特の【細糸信仰】といえるものです。
こういう言い方をすると
と言われることがあります。
でも、日本の場合スレ切った野池であろうとオフショアの青物であろうと細糸の方が魚に警戒されにくいという趣旨で細糸信仰が語られるし、海外であっても超有名ポンドになるとかなり釣り人が多いので、魚がスレ切ってるかどうかという点では日本も海外もそれほど違いはありません。
因果関係が明確じゃない
それでも「ラインの太さは釣果に影響がある」と言い張るアングラーは一定数います。
僕個人もハリスの号数を落としたら魚が釣れたということをけっこう経験しています。
それでも細糸信仰心がほとんどない理由は
「細糸にしたから釣れた」のかどうかわからない
から。
確かにハリスの号数を落とした後に釣れたという経験はありますが、細糸にした事実と釣れたという事実に先後関係があるだけで因果関係があるかどうかまでは確証がないということが大きな理由です。
細糸にしたことが要因となって釣れたかもしれないしそれ以外の要因(潮の流れ・水温・日照の変化など)が作用して釣れたかもしれない。
太糸にしても釣果が変わらないような釣り(エリアフィッシング)もあるので何が正解かわからない。
事実の先後関係をみれば「細糸にした」→「釣れた」という流れですが、→部分に因果関係があるかどうかまでわからない。
とにかくよくわからないので信仰心が芽生えていません。
(まぁ釣りにおいて因果関係を求めると、ほとんどすべての理論やパターンが成り立たないと思うが…)
全否定するわけではない
餌釣りではメリットがあるかも…
とはいえ細糸信仰を全否定しているわけではありません。
餌釣りにおいてハリスに使用するラインはほぼ100%に近いくらいフロロです。
このウェブサイトでも何度か書いていますがフロロの特徴は吸水性がない・硬い・太いということです。
この硬くて太いフロロをハリスに使う場合、ハリスが細い方が刺し餌の沈下や動きがナチュラルに見える
…ような気がする。
餌釣りの場合は針の重さまで気にするような釣りなので、太くて硬くて重いラインによる干渉や違和感は否定できません。
ルアーフィッシングでは…
ルアーフィッシングの場合はまったく気にしていません。
ルアーの飛距離やルアーの動きと相談しながら飛距離やアクションに影響が出ない程度に太いラインを使っています。
餌をじっくり見せて魚まかせに食わせる餌釣りと違って、ルアーフィッシングはルアーの動きで魚の食性や闘争心を刺激したりリアクションで食わせる釣りなので、ラインの太さはルアーの邪魔にならなければある程度太くても関係ないというのが僕の考えです。
魚はラインをまったく気にしていないとはいいませんが、ラインよりも動いているルアーの方を気にしています、絶対。
まとめ
◆ラインを太くしても釣果が変わらない釣りもある
◆細糸信仰は基本的に日本のみ
◆細糸と釣果の因果関係はあいまい
◆餌釣りでは細糸の方がイイ…かも?
◆細糸をそれほど信奉する必要はない
日本の釣り業界では
太い糸=魚が警戒する=細糸の方がよく釣れる
と当然のように信じられていますが、世界の釣りを見渡してみると日本のような細糸信仰はほとんどありません(たぶん)。
日本においても「本当に細糸の方がよく釣れるのか?」といえば、実際のところはよくわからないことが多いです。
細糸の方が魚に警戒されにくいと言われるとそんなような気もしますが、ラインを太くしても釣果の差を体感できないエリアフィッシングのような釣りもあります。
ラインの太さが釣果に影響するような日もあれば、まったく影響ない日もあるかもしれません。
とにかくよくわからない。
あなた次第です