【ステップアップ】真夏もそろそろ終盤戦。9月上旬の気まぐれシーバスをどう狙う?【第5回】

9月上旬は、気温も水温も真夏とほとんど変わりません。

その一方で、真夏とは異なり、着実に変わりゆく現象もあります。

それに伴って、ベイトの動きも夏のままではなく、少しずつ変化の兆しが…

このページでは、夏終盤の気まぐれシーバスの狙い方についてご紹介します。

執筆者
ショーカラ(y-nax)
『釣り』の翻訳家
最近の釣りメディアでは、釣りに関する情報がメーカーのために中・上級者目線で発信されるようになりました。ナチュラルリリースでは、ビギナー目線で語られることが少なくなった「釣りに関する『キホンのキ』」をビギナー目線で発信しています。

9月上旬(夏終盤)の特徴を理解する

暦の上では9月は秋。

そうはいっても、実際の気温や水温はまだまだ真夏の延長です。

水温は25℃以上で推移することも多く、シーバスにとっては高い水温が続く状況です。

 
ショーカラ
基本的に、高水温期は魚の活性にムラが出やすく、捕食のタイミングが極端に偏る傾向があります

ただ、気温は真夏と変わらずとも、夏とは決定的に違う点もあります。

それは日照時間が短くなることです。

日中の長さが少しずつ短くなることで、昼行性ベイトの行動リズムには変化が出てきます。

たとえば、真夏には夕方以降まで回遊していたボラやイナッコは、やや早い時間から落ち着いた動きを見せはじめます。

この小さなズレを見抜けるかどうかが釣果を大きく左右します。

夏と同じ釣り方が通用しない理由

暦の上では秋。でも、気温と水温はまだまだ変わらない。

そうなると

ビギナー
水温が夏と同じなら、夏の延長で狙えるのでは?

と思いがちですが…

実は、そこに落とし穴があります

昼行性・夜行性のいずれのベイトも、日中の長さ(または夜間の長さ)によって活動が強く影響されます。

昼行性ベイトの活動時間は短くなる一方、夜行性ベイトの活動時間は長くなるといえます。

同じエリアでも、ベイトのつき方やタイミングが夏とは変化しているのです。

たとえば、真夏は夜でもシャローや流れのヨレに集中していたベイトが、夏終盤では広範囲に散っていくケースが増えてきます。

そうすると、これに合わせてシーバスも回遊ルートを変えます。

夏に釣れた場所で同じルアーを流すだけでは反応が薄くなります。

つまり、夏と同じ戦略を引きずるのではなく、環境の小さな変化に合わせたアプローチが必要になるということです。

9月上旬(夏終盤)に狙うポイント

シャローエリア

昼行性ベイトの中には、夜になるとシャローエリアに身を潜める魚種がいます。

また、夜間のシャローエリアは過ごしやすい水温で安定するため、夜行性ベイトもシャローに入りやすくなります。

つまり、シャローエリアは、昼行性ベイト・夜行性ベイトともに、ベイトの溜まり場になります。

そのため、日中は空っぽでも、夜になると一気に生命感が生まれる場所があります。

橋脚の明暗部

流れの効いた橋脚周りは、夏終盤のナイトゲームでも鉄板のポイントです。

明暗の境界が強調される夜間は、シーバスがベイトを待ち構えて捕食するための絶好のスポットです。

流れと光の境界にルアーを通すことで、効率的に反応を得られます。

流芯とヨレ

オープンエリアや河川というのは、狙いどころがわかりにくいポイントです。

その中でも、流れの強弱が生まれる流芯脇のヨレは、酸素量が豊富でベイトも集まりやすいエリアです。

特に、水温が下がりきらない時期は、魚が活発に動ける時間が短いため、効率よくベイトを捕食できるヨレを好む傾向があります。

上流から下流に向かってルアーをナチュラルに流すと、自然に捕食スイッチを入れやすいポイントといえます。

ベイトとシーバスの動きがリンクする

夏終盤の河川中流〜下流域は、ベイトの動きとシーバスの行動が強くリンクします。

たとえば、夜にシャローへ差してきたイナッコやサヨリの群れには、ほぼ間違いなくシーバスが寄ってきます。

逆に、ベイトが薄い場所で粘っても効率が悪いため、短時間で見切った方が賢明です。

ここで考えておかなければならないのがベイトは常に動いているということ。

橋脚やシャローにベイトがいつまでもとどまっているわけではありません。

ベイトの動きを追いかけてランガンしていく。

それくらいの柔軟さが必要です。

夏終盤のルアーセレクト

水温が高止まりしている時期は、シーバスの捕食タイミングがシビアです。

そのため、ルアーも「食わせ重視」のセレクトが有効になります。

シャローランナーシャロー攻略の主力。一定のレンジを外さないため幅広いスピードに対応できる。
シンキングペンシル流芯やヨレを狙う際に活躍。ナチュラルなアクションを演出できる。
バイブレーションベイトが沈み気味のときや広範囲を探るときに有効。

ただし、9月上旬は水温がまだまだ高く、酸欠になりやすいという海の中の状況は変わりません。

そのため、大きなアクションでアピールするよりも、違和感なく食わせることを意識したセレクトが9月の状況ではより効果的です。

暑くてもベイトの動きは着実に変わっていく!

9月上旬は、暦の上では秋ですが、水温や気温はほぼ真夏です。

とはいえ、日照時間の変化に伴って、ベイトの行動リズムは着実に変化していきます。

そして、それに合わせてシーバスの回遊も変化するという、とてもトリッキーな時期といえます。

水温や気温に合わせて夏と同じ釣り方を続けていると、釣果に結びつきにくくなります。

むしろ、「ベイトの動きの変化」に合わせられるかどうかが釣果の分かれ目です。

シャロー・橋脚の明暗・流芯のヨレといったポイントを中心に、時間帯ごとのベイトの動きを観察しながら釣りを組み立ててみましょう。

真夏とは一味違う“気まぐれなシーバス”を攻略できるのは、この時期ならではの醍醐味です。

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