去年、松江市のとある河川で釣りをしていたら、地元の高校生っぽい子からそのポイントでの釣り方を伝授してもらいました。


そこで私はリフトアンドフォールを試みたのですが、立ち位置が水際で、水深も浅いので、どうしてもリフトアンドフォールにならない。
どうやってリフトアンドフォールしてるんだろうと思って高校生を見ていましたが、着底からロッドを煽って降ろして…の繰り返し。
確かにロッドの動きはリフトアンドフォールしてる。
でも、実際のルアーの動きは、着底から数十メートルくらいはストップアンドゴーになっていたと思います、たぶん。
from Showcalla
釣りには古くから(?)こんな格言があります。
ルアーフィッシングにおいて釣果に重大な影響を及ぼすファクターの一つとして挙げられるのが『想像する力』です。
釣果を残すうえでは『想像』することを欠かすことはできません。
しかし、一歩間違えると想像ではなくただの妄想になってしまいます。
大事なのは
『想像』を『想像』として認識すること
です。
このページではルアーフィッシングにおける『想像』について考えます。
ルアーアクションを想像する
ルアーをリトリーブしている間、ルアーのアクションをまったく意識・想像していない人は皆無です。
ルアーマンであれば誰しもが多かれ少なかれルアーのアクションを想像しては、水中の映像を頭の中に思い描きます。
一番メジャーなルアーアクションのイメージにリフト&フォールというのがあります。
ほとんどのアングラーにとってリフトアンドフォールは↓こういうイメージだと思います。
でもこのイラストのようなリフトアンドフォールをしようと思うと、ロッドワーク以外に一定の条件が必要になります。
まずは水深が深いこと。それに足場が高いこと。さらにロッドが長いこと。
このバランスが整っている必要があります。
要するに、竿先からルアーまでのラインの角度にある程度の傾斜がないと、ロッドをリフトしてもルアーは斜め上には上がらずに、ブルブルッと前方へ進むだけになってしまいます。


1枚目のイラストではロッドを煽ればルアーもリフトできますが、
2枚目のイラストではロッドを煽ってもルアーは斜め上ではなくブルブルッと前方へ進みます。
水深の浅い場所や水際に立って釣りをしている場合、ロッドを煽ってもこのようなイメージではなく、ブルブルっと前方へ進んでいるだけのことも少なくありません。
でも頭の中のイメージはこれです。
これがルアーアクションの想像です。
ローテーションを想像する

とか

ってのはテレビでもよく聞きますし、ウェブメディアなんかでもよく書かれる釣行記録です。
ルアーローテーションやカラーローテーションの結果
『魚が食ってきた』
とか
『魚に口を使わせた』
というのももちろん想像です。
ルアーローテーションやカラーローテーションに意味がないということではありません。
むしろルアーローテーションやカラーローテーションって超重要だと思っています。
エリアトラウトを始めるまではルアーやカラーのローテーションはそれほど重要視していませんでしたが、エリアトラウトをするとルアー違いやカラー違いの効果が顕著に現れるのでこれが非常に興味深い。
問題なのは、ネイティヴフィッシュの場合、いま釣れた魚がローテーションの結果で釣れた魚なのか、それ以外のファクターで釣れた魚なのかが判別しづらいということです。
それまではこのエリアに魚がほとんどいなかったけど、ルアーチェンジしたのと同じタイミングで群れが入ってきたという可能性もあります。
あるいは微妙な潮の変化によって魚の食い気が誘発されることだってあります。
エリアトラウトの場合、「同じ池」という条件の中に多数のトラウトがいるのがわかっているので、魚が食ってきた条件というのを特定しやすいです。
でもネイティヴフィッシュの場合、(サイトフィッシングでない限り)そもそも目の前に魚がいるかどうかもわからない状況で釣りをしているので、ルアー(カラー)ローテーションの結果と魚の行動との関連性がわからない場合の方が多い。
それでも釣り人は想像するのです。

と。
これがローテーションの想像です。
想像するからこそ釣りは面白い!
サイトフィッシングでない限り、ほとんどの釣り人は魚が居るか居ないかわからない状況で竿を振り、ルアーを投げ、ルアーの動きや魚の動きを想像しながら釣りをしています。
ルアーが潮目に差し掛かったときのルアーの動きや、ダートさせたときの動き、リフト&フォールをイメージし、そして魚が食いつく瞬間を想像します。
目に見えない水中をイメージし、想像をかきたてるからこそ釣れたときには
『狙いどおり!』
といわんばかりにローテーションの効果を語ります。
ただ大切なのは、
その釣果は想像の産物であって本当のところはわからない
ということを明確に認識しておくことです。
想像が現実になったのかもしれないし、想像とはまったく別のファクターが作用したことによる釣果かもしれない。
いずれにしてもなぜ釣れたかはよくわからないのです。
(もちろんわかることもありますので、それを否定する必要はありません)
私がルアーフィッシングを始めた頃は、西山さんや村田さんや村越さんや内藤さんがテレビでいうことをかなり鵜呑みにしていました。
『〇〇したら食ってきた』
とか
『〇〇にチェンジして食わせた』
って言葉が魔法のように聞こえていました。
それを自分が試してみて…
全然釣れねえ(;´・ω・)
考えてみれば当たり前の話ですが、サイトフィッシングでないので魚の行動なんて目に見えてない部分がほとんどなんです。
アングラーはそれを想像で補って視聴者に説明している。
これを視聴者は「想像」としてではなく「釣り方」として把握してしまう。
そうすると、かなり釣りの幅が狭まります、(ホロ苦い)経験上。

みたいに自暴自棄になることもありました。
とにかく大切なのは
『「本当のところはわからない」ことを前提に想像すること』
です。
そうすれば(釣れるかどうかはわかりませんが)釣りがとても楽しくなります。
(釣れるかどうかはわかりませんが)想像力がモチベーションに与える影響はとても大きいです。
釣れるかどうかはわかりませんが…
考えるな! 想像するんだ!