2019年に発表されたimaルアーの新重心移動システムである
MRDシステム
立ち上がりの早さを売りにした重心移動システムとして世に登場しましたが、思わぬほどに飛距離が!
このページではimaのMRDシステムについてご紹介します。
MRDシステムとは
imaのMRDシステムとはMagnetic Rebound Driving(マグネティック・リバウンド・ドライビング)の略で、キャスト時に後方へ移動したウェイトを磁力の反発力で前方へ強制的に戻す重心移動システムです。
ダイワはシャフト(ワイヤー)上をウエイトが移動することでウェイトの移動をスムーズにしたサイレントオシレートシステム。
シマノはバネの力を利用して強制的にウエイトを戻すAR-Cシステム。
メガバスはボールベアリングを利用してウエイトを戻りやすくしたLBOシステム。
各社ウェイトの移動方法には様々な趣向を凝らしていますが、その中でも自然の力を利用してウエイトを強制的に戻すという点ではimaのMRDはシマノのAR-Cと並んで画期的かつ合理的な重心移動システムといえます。
MRDシステムのメリット
立ち上がりが早い
MRDシステムに最も期待されるのは立ち上がりの早さです。
ルアー内部のレールをタングステン球が移動する一般的な重心移動システムは、キャスト時にルアー後方へ移動したウエイトを、ルアー着水後にアングラー側で前方へ移動させてやる必要があります。
通常はルアー着水後にワントゥイッチしてやります。
MRDシステムではルアー着水時にはウェイトが強制的に前方に戻されるので、着水後にすぐにアクションを開始します。
アクションエラーが起こらない
一般的な重心移動システムでは、どれだけ着水後にワントゥイッチしても稀にウエイトが前方に戻っていないことがあります。
ウエイトが前方に戻らないとルアーはアクションしません(アクションエラー)。
MRDシステムは磁力によってウエイトが強制的に前方に戻されるのでアクションエラーを起こすことはありません。
MRDがダイワやメガバスのルアー以上に使いやすいポイントといえます。
圧倒的な飛距離
MRDシステムはウエイトを戻すのに磁力を使うので、通常のワントゥイッチではウエイトを戻すことが難しいようなより重いウエイトが使用可能になります。
これにより同じボディサイズでありながら従来よりもウエイトの重くできるので、ルアーサイズからは想像もできない飛距離を可能にします。
ウエイトを重くすることでアクションしなくなるようでは困るので、常にウエイトが重い方がイイとは限りません。
使用感
正直、飛距離に驚いた
ルアーの売り文句として市場に氾濫している『圧倒的な飛距離』というフレーズ。
食傷気味なフレーズなので個人的にはあまり惹かれませんが、MRDの飛距離には正直驚きました。
僕が使用したルアーは iBORN 118F shallowで、いわゆるシャローランナーです。
潜航レンジ~30cmほどの超シャロー系です。
シャロー系のルアーはリップを小さくしてなるべくリップが水を噛まないようにするとともに、ルアー内部構造に浮力を確保して(または浮力のある発泡素材をボディに用いて)必要以上に潜るのを抑えています。
なので、シャロー系ルアーはボディサイズの割には軽量で飛距離が出にくいルアーが多い。
でもiBORN 118Fは僕が使った超シャロー系ミノーの中でも頭ひとつかふたつ抜きん出て飛距離が出ます。
期待してなかった『圧倒的飛距離』には良い意味で裏切られました。
超絶に投げやすい
iBORN118Fは118mm20gのファット気味のボディということもあり、スペックだけみると『柔らかめのロッドだとキャスト時にロッドが負けるかな?』とも思えます。
でも、ルアーウエイトMAX~18gのロッドでもスコーーーーーンと飛んでいきます。
MAX~21gのワールドシャウラだと気持ちいいくらいに飛んでいく。
ロッドのルアーウエイトの上限付近のルアー(特にミノー)は気持ちよく投げられないのが通常ですが、MRDを搭載したiBORN118Fはスコーーーーーンと飛んでいきます。
もちろんルアーの飛行姿勢なんかも影響があるでしょうが、ボリューム感を感じないくらいに綺麗に飛んでいきます。
それだけウエイトの移動がスムーズということでしょう。
アクションエラーは皆無
MRDシステムではルアーの着水時に磁力の反発によりウエイトが強制的にルアー前方へ戻されるので、小難しいことやワンアクションを入れたりしなくても投げて巻くだけでアクションが始動します。
実際にアクションエラー(ウエイトが戻らずにルアーがアクションしなかった)が起こったことは一度もありません。
これは延々とキャストを続けるルアーフィッシングにおいてストレスを大きく軽減してくれます。
ルアーをキャスト→着水→巻き始める
この動作だけでキチンとアクションしてくれます。
まとめ
重心移動システムの第4のモデルともいえるMRDシステム
一番の売りはなんといっても立ち上がりの速さ(ウエイトの戻りの自動化)です。
でもそれ以上に驚いたのが
飛距離と飛ばしやすさ
です。
気持ちいいくらいにスコーーーーーンと飛んでいく姿は、飛距離を出しにくい超シャローミノーとはとても思えないほど。
MRDシステムによってimaルアーは、ダイワ・シマノ・メガバスとともに重心移動システムというカテゴリーに新たな1ページを刻むことになりました。