第1回の実験では超有名フックメーカーのフックの防錆実験を行いました。
ルアーフィッシングをしていると、感覚的に『〇〇のフックは錆びやすい』とか、逆に『□□のフックは全然錆びない』ってありますよね?僕はルアーのアイに錆が移るのが嫌なのでフックが錆びたら基本的にはすぐに交換します。躊躇なく交換し[…]
このときの実験で大健闘したのがFimoフックというやや無名のフック。
そうなると、有名メーカーでなくても防錆性能の高いフックがあるのでは?
という疑問が湧きました。
このページでは、フックを2か月ほど海水に浸してみたらどうなったか?(第2弾)についてご紹介しています。
準備するもの
フック
フックは、ソルトルアーでよく使われているメーカーで、最近気になるメーカーのフックをチョイスしました。
・BKK Fangs-62 UA
・ブルーフック SP
STX-45ZN(カルティバ)は、前回の実験で唯一錆が浮いてきたフックです。実験上の誤差があるかもしれないので、今回も実験対象に含めました。
Fangs(BKK)は近年流通し始めたフックです。Fangsが置いてあるショップはまだまだ少ないですが、形が好きなので実験対象としました。(その他の理由については後述)
ブルーフックの知名度は高くありません。しかし、最近SNSを中心に話題になっています。USHIJIMA MARINEさんのベイスショップから購入することのできる激安フックです。
海水
海水は境水道で汲んできたものです。
これは以前と同じ場所で採取してきました。
仕切り付容器
あるフックが早く錆びたときに、他のフックに錆が移らないように、区画された容器を使用します。
これも、前回の実験で使用した容器をそのまま使いました。
実験方法
容器にフックを入れる
フックは区画された容器に1個だけ入れます。
錆が移るのを防止する目的です。
海水を注ぐ
前回の実験では、フックの一部が空気中に露出するように水位を調整しました。
今回は、完全に水没させて実験を行いました。
ただ、ずっと海水に水没させたままではなく、週5日水没させ、週2日自然乾燥させました。
ひたすら待つ
ここからは土曜日の朝に海水を捨てて、土日で自然乾燥。
月曜日の朝に海水を足す…
の繰り返しです。
前回は1か月半の実験期間でしたが、今回は2か月間実験しました。
実験スタート!!
実験開始~2週間
前回カルティバSTX-45が一番錆びたので、今回はどうかなぁ…と思いましたが。
やはり、カルティバSTX-45に変化が!!!
STXの真ん中んの部分ってかなり錆やすい気がする
2週間~4週間
実験開始~4週間くらいまでに、すべてフックに変化が現れていました。
こちらはFangsです。
錆はありませんが、明らかにフックの表面が傷んでいます。
こちらはブルーフックです。
傷みは少ないですが、フックの表面はやはり傷んできています。
結果発表
そして2か月が経ちました。
前回の実験ではサビサビになったフックはありませんでした。
しかし、今回の実験ではサビが進行したフックがありました。
やはりSTX-45は錆にはそれほど強くない
前回の実験で一番傷みが激しかったのがカルティバのSTX-45でした。
実験方法の誤差もあるので、もしかしたら、意外に頑張るかも?と期待はしましたが…
前回同様に一番損傷が激しかったです。
フックの表面がぼんち揚げみたいになっています。
BKK Fangsもいま一歩
今回一番期待したのがBKK Fangsでした。
SNSのフォロワーさん情報によれば、前回の実験で善戦したFimoフックはBKK製だそうです。
そのため、BKK Fangsにもかなり期待をしましたが…
ボチボチかな…。
ベンドの部分(曲がっている部分)にけっこう錆が見られました。
まぁ、海水に浸したり自然乾燥させたり、相当傷めつけた結果なのでしょうがないでしょうけどね。
超優秀だったブルーフック
最後に、超優秀だったのがブルーフック。
『錆にくさ』という点では素晴らしい。
もちろん、ところどころに錆は浮いてきていますが…
フック1本あたりの値段
フック1本あたりの値段は
BKK Fangs 69円
ブルーフック 50円
という感じです。
圧倒的に安価なのがブルーフックです。
防錆という点ではブルーフックは圧倒的なコストパフォーマンスです。
フックを錆びさせないために重要なこと
今回の実験では海水に浸す期間を前回よりも半月ほど長くしました。
しかし、その長くなった期間のせいでフックの傷みが激しくなった…
という印象はありません。
海水に浸す期間よりも大きく作用したのが
海水が付着したまま自然乾燥する時間
です。
この自然乾燥の時間があるとフックは傷みやすい。
これは体感的に明らかでした。
そこで、フックの防錆上は最も重要なのは、使い終わったルアーは速やかに水道水または真水に浸すということです。
もし可能であるならば、釣りの最中にルアー交換をした時、交換したルアーを速やかに水道水に浸すくらいやってもいいでしょう。
ただ、それは現実的ではありません。
そこで、水を入れたタッパーを釣りに持参して、その日の釣りが終わったら、使用していないルアーも含めてタッパーに浸け込む。これくらいの勢いで対処すれば、そう簡単に錆びることはないでしょう。
それがダメでも、帰宅したら速やかにバケツに水を張ってルアーを投げ入れる(洗う必要はない)。少なくともこれくらいの対処はしたほうがいいでしょう。
ブルーフックの防錆性能はかなり高かった
今回は2か月ほど海水に浸してフックの錆び方の実験を行いました。
今回の実験では、前回の実験では行わなかった自然乾燥という過程を取り入れました。
そうしたところ、前回の実験以上にどのフックも錆が進行した印象を受けました。
その中でも、価格が最も安価なブルーフックは大健闘したといえます。
逆に、価格の割りには防錆性能が振るわなかったのがSTX-45です。
また、フックの防錆性能以上にアングラーが気を使うべきなのが自然乾燥対策です。
とにかく海水が付着したまま放置しない。
これがとても重要です。
これさえ怠らなければ、STX-45であっても簡単に錆びることはまずないでしょう。
フックの防錆性能は意識しつつも、アングラー側の対処も怠らないように気をつけましょう。