最近流行りのルアーのアクションは弱ったベイトを演出できる『弱々しい動き』。
そういう動きの方がフィッシュイーターの捕食を誘いやすいということです…
…が。
って思いません?
僕は率直に思いましたよ。
いや、確かに捕食者(フィッシュイーター)は直感的に弱っているベイトの方が襲いやすいと判断するといわれると、納得できる部分がないわけではない。
でも、果たしてホントにそうなのか?
このページでは流行りの弱ったベイトを演出する『弱々しいアクション』をご紹介します。
弱々しいアクションとは
弱ったベイトを演出できる『弱々しいアクション』とは実際どんなアクションか?
といえば、特に定義があるわけではないですが僕としては
スローで巻いたときに泳いでいるのがほとんどわからないような動き
ってイメージを持っています。
まぁザックリいえば『キビキビ動く』と反対のアクションですね。
『ほとんど動かない』
って程度に思ってもらえればイイかな。
弱々しい動きの方が釣れるのか?
問題はホントに
弱々しいアクションの方が捕食者に狙われやすいから釣れる
といえるのか?
これについては声を大にして『No!』といいたい。
いや、正確にいえば『そういう時もあるだろうけど、そうでない時もある』ということ。
ということ。
ルアーフィッシング全般にいえることですが
『これさえあれば大丈夫!』『こういうときは△△より〇〇!』
というフレーズは経験則や魚の生態に基づくものではなく、ほぼ商品の『売り文句』です(俺調べ)。
経験を積んでいるベテランアングラーこそ
っていいます。
その場でどんなルアーのどういうアクションが効果的かは、その時に魚に聞いてみなければわからないということです。
わからないことは魚に聞け!
です。
なぜ弱々しい動きがトレンドなのか?
その理由は…
この動きが釣れるから!
ではありません。
これはルアーの飛距離と関係しています。
最近の(特にソルト)ルアーは飛距離至上主義といえるほど飛距離が重視されます。
昨今のルアーは「どれだけ飛ぶか」がまず最重要注目ポイント。その次は「どれだけ立ち上がりが速いか」が第二のポイント。「どれだけ釣れそうなカラーが揃っているか」が第三のポイント。そして最後に「どれだけ釣れるか」。
とにかく飛んで、とにかく立ち上がりを速くすることがルアー開発の至上命題です。
ところが飛距離を確保しようとしたときに問題になるのがリップのサイズとボディの形状。
これらはキャストのときに空気抵抗となって飛距離の妨げになります。
なので、リップはより小さく、ボディはより空気を受け流しやすく、という思想でルアーが開発されます。
空気抵抗を可能な限り最小化したルアーの飛距離はそりゃあもう素晴らしいもんですよ。
でも、ここでさらなる問題が生じます。
ルアーの空気抵抗を最小化するということは、ルアーが水を受ける面積も最小化されるということ。
つまりルアーがキビキビ動かないということに他ならない。
ルアーの動きが弱々しいのは、この動きの方がよく釣れるから弱々しいアクションにしているわけではなく、ルアーの飛距離を求めた結果、スローで巻いてもキビキビ動くルアーというのが開発しにくくなったことと関係しています。
って感じです(と僕は思っている)。
まぁぶっちゃけ弱々しい動きの方が効くって状況も実際にはあるだろうから、ウソとはいえない。
ただ『弱々しいアクションの方が魚がよく釣れる』かといわれれば『そういう時もあるだろうし、そうでない時も当然ある』ってこと。
同じじゃないからこそ面白い
ルアーフィッシングにおいて
『〇〇にはコレ』
とか
『このシチュエーションでは△△さえあればOK』
なんてことはあり得ません。
人間的には同じような状況に見えても、まったく同じ状況ということはあり得ません。
昨日釣れたルアーが今日も釣れるとは限りません。
釣れることもあるだろうし、180度真逆のタイプのルアーが効くこともあるでしょう。
ルアーフィッシングの面白さはまさにそこにあります。
その日その時その場所で効くルアーやアクションを探す。そして魚を釣る。
これが醍醐味です。
弱々しい動きが効くこともあれば、逆に水面ガチャガチャ系に反応がイイ日もあります。
メーカーやプロスタッフの売り文句を参考にしつつ(無視する必要はない)、色んなルアーや釣り方を試して魚にアプローチしてみましょう。